UCCコーヒープロフェッショナル株式会社

クロスセル提案のABテストを実施 
営業力強化を目指したAI活用の推進

業界:業務用食品卸
ソリューション:データに基づく営業力の強化 AIの本格導入に向けたノウハウ蓄積

500名の営業担当が10万軒の顧客をカバーするUCCコーヒープロフェッショナルにとって、顧客ニーズの的確な把握は重要な課題の一つです。トップセールスのスキルをAIで可視化する取り組みを開始した同社は、その第一歩としてdotDataの特徴量を用いたクロスセル提案の実証実験を実施。AI本格導入に向け、大きな一歩を踏み出しています。

課題

  • 営業1名が約200軒の顧客を担当するため顧客ニーズを深く把握した提案力に課題
  • AIやデータの本格的な活用に向けた課題が不明確

ソリューション

dotDataによるクロスセル実証実験

効果

  • クロスセルなどの営業活動の特徴分析から、データに基づく新たな提案の切り口を発見
  • データ品質・整備の強化や、分析結果の業務への落とし込みなど、AIの本格導入に向けた課題が明確化

お客様の声

小泉 世連氏
UCCコーヒープロフェッショナル株式会社 販売企画本部 デジタル推進チーム マネージャー

小泉 世連氏

dotDataに注目したのは、特徴量の自動抽出を活かして営業力の強化・効率化を実現し、大きな成果を挙げている大塚商会様の事例を知ったためです。トップセールスのスキルを分析し、営業やインサイドセールス、デジタルマーケティングなども巻き込み、全社で営業力強化に向けたデータ活用の仕組みを構築したいと考えています。

一人が約200軒を担当 営業力の強化を目指してAIに注目

一人が約200軒を担当 営業力の強化を目指してAIに注目

1933年の創業以来、日本のコーヒーの歴史と共に歩んできたUCCグループ。業務用サービス事業の中核を担うUCCコーヒープロフェッショナル株式会社(以下、UCCコーヒープロフェッショナル)の強みは、コーヒー豆栽培から文化発信に至るコーヒーに関するすべての事業を自社で手掛けるグループの総合力にあります。同社は7年前にソリューション営業チームを立ち上げ、ハード・ソフトの双方をワンストップで提供する“モノ売り”から“コト売り”への転換を積極的に推進。その一方で、カフェ・喫茶店、宿泊施設など10万軒に及ぶ全国の顧客を500名の営業担当によってカバーする体制は、顧客ニーズに応じた営業提案の難しさにつながっていました。この課題解決に向けて同社が注目したのは、AIの活用でした。販売企画本部 デジタル推進チーム マネージャーの小泉 世連氏はこう説明します。

「当社の場合、一人の営業担当が約200軒を担当するため、月一回の顧客訪問も困難な状況です。データを分析し、トップセールスのスキルを可視化することで、若手の営業担当などセールス経験の浅いメンバーの営業力強化を図れるのではないかと考えたことがAIに注目した理由です」

この観点から、各社のAIソリューションを比較検討する中で出合ったのは、dotDataが自動抽出する特徴量を営業支援に活用することで大きな成果を挙げている大塚商会の事例でした。

「大塚商会さんの取り組みは私たちが目指す方向と重なる部分が多く、とても興味深いものでした。様々に相談させてもらったうえで、まずはdotDataによる実証実験を行うことにしました」

難しさを実感した
業務施策まで見据えたデータの分析

難しさを実感した業務施策まで見据えたデータの分析

実証実験は、東京と福岡の2拠点の営業担当を対象に、従来の営業活動を継続するグループとdotDataの特徴量に基づきクロスセル提案を実践するグループに分けたABテスト形式で、2024年9~11月の3カ月にわたり行いました。

「dotDataが自動抽出したクロスセル提案リストには、『レギュラーコーヒーを購入する顧客はコーヒーシュガーも購入する可能性が高い』という推測可能な提案だけでなく、これまで意識することがなかった組み合わせも多く含まれていました。
今回の実証実験で得られた最も重要な学びは、データを業務に活用して明確な成果を上げるためには、分析段階から業務施策への具体的な落とし込みまでを見据えて進める必要があるという点です。例えば、期間中に他の重要な営業施策が並行して実施されたことで、特徴量によるクロスセル効果を正確に測定することが難しくなる場面がありました。また、分析フェーズでは商品カテゴリ単位で特徴量を評価しましたが、実際の施策では商品単位への展開を人手で行う必要があり、その精度が結果に大きく影響しました」

トライアンドエラーで
AI活用を推進

トライアンドエラーでAI活用を推進

同社は、dotDataの実証実験を通して得られた知見を生かしながら、AI導入と業務での活用を進めていくと言います。

「dotDataとの取り組みを通して、多くの企業にとってAI導入の障壁となるデータ整備に関する課題が洗い出せたことも大きな成果でした。今後もトライアンドエラーを繰り返しながらAI導入を積極的に進めるつもりです」

次のステップとして、CRMツールに蓄積されたデータに対する、本格的なAI導入に取り組む予定で、AIチャットボットによる営業活動の支援や、AIによるマーケティング施策の壁打ちなど、新たなチャレンジも検討しています。

「AIソリューションは精度だけでなく、運用に必要な工数の省力化も重要なポイントです。トップセールスのスキルの可視化は、リアル営業の底上げだけでなく、インサイドセールスやデジタルマーケティングの品質向上にも大きな役割を果たします。システム全体を見直すことで、dotDataをはじめとする様々なAIをより活かせる仕組みを構築したいと考えています」

今回のdotDataによる実証実験は、UCCコーヒープロフェッショナルのAI活用の解像度を大きく高めた一歩になったと言えそうです。

UCCコーヒープロフェッショナル株式会社

https://www.ucccoffeeprofessional.co.jp
所在地 〒107-0052 東京都港区赤坂8-5-26 住友不動産青山ビル西館
従業員数 970名(2024年4月現在)
創業日 1978年8月26日
事業内容

世界初の缶コーヒーを開発し、国内初の真空包装レギュラーコーヒーの製造販売を行ったUCCグループの歴史は、日本のコーヒー文化の歴史でもある。業務用サービス事業の中核を担う同社は、グループ総合力を活かし、カフェ・喫茶店をはじめとする「コーヒーが生まれる場」にハード、ソフト両面からワンストップサポートを提供している。

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