ローソン dotDataの特徴量で消費者の価値観を理解
株式会社ローソン

dotDataの特徴量で消費者の価値観を理解
ターゲティング広告の商品購入率が12倍に

業界:小売業
ソリューション:広告デザイン最適化

約1万5000店舗のコンビニエンスストアを展開するローソンは、購買者に合わせた商品の販促システムを構築するためにdotDataを導入。Cookieレス時代に向け、ID-POS(購買者IDに紐づくPoint-of-Sales)データおよび購買者の価値観分類から特徴量を抽出。広告デザインを購買者の価値観に合わせて最適化することで、購入率が12倍も向上しました。dotDataにより抽出された特徴量は、購買会員のLTV向上による店舗の売上改善など自社で利用されるほか、取引先メーカー向けのマーケティング活動や商品開発などにも活用されており、ローソンだけにとどまらないメリットを生み出しています。

課題

  • 性年代や過去購買実績など画一的な顧客セグメントでは、ローソンで扱う商品の魅力を伝えきれない
  • 約1万5000店舗から得られるデータと購買者の嗜好の変化への対応
  • Cookieレス時代に備えたID-POSによる新しい購買者の理解

ソリューション

ローソンが構築したシステムの概要

効果

  • ID-POSからおよび購買者の価値観分類から特徴量を抽出し、価値観別に購買者を細かく分類
  • dotDataの特徴量(価値観)に基づいた広告デザインで、商品購入率が12倍も向上
  • Cookieレス時代に向けた新しいデータマネジメントモデルとして収益化

お客様の声

小林 敏郎氏
株式会社ローソン マーケティング戦略本部 デジタルマーケティング部 シニアマネジャー

小林 敏郎氏

特徴量から炙り出される消費者の価値観によって、商品の魅力を最大限に伝えることができるようになり、店舗の売上向上につながっています。

「価値観」に基づいて優れた商品を適切な顧客へ

コンビニエンスストア「ローソン」を全国で展開し、多彩な顧客ニーズにも柔軟かつ迅速に応えるローソン。購買履歴と会員別の価値観情報をベースとした「価値観に基づいたターゲティング」の実現に向けて、AIや予測分析を駆使したさまざまな取り組みを進めています。ローソンの小林敏郎氏は「データから購買者の価値観を高い精度で把握することで、個人の価値観に合わせた商品の推薦や、店舗の改善、小売店だからこそ得られる購買者のデータを活用してメーカーの商品開発や販促活動の支援にも役立てています」と説明します。

この施策は、2015年頃からスタートしました。「小売業において、商品の評価は主に販売数で判断されます。時間をかけて優れた新商品を開発しても、上手く売れないと評価されず、購買者に認知される前に終売になってしまい、非常に悔しい思いをしていました」と小林氏は当時を振り返ります。

「価値観に基づいたターゲティング」とは、膨大なデータから購入者の価値観を抽出した購買販売モデルにより、購買者の価値観と、商品の購買の関係を学習することで、クーポンのデザインや配信、販促、商品開発強化につなげる仕組みです。具体的には、ローソングループが持つ膨大な購買履歴および商品情報などのデータから、購入者の行動や特徴を抽出し、クラスター分析によって、購入者の価値観を抽出分類します。同じ年代・性別でも求めるものがさまざまな要素で変わるため価値観で分けることが重要になるのです。例えば「ご褒美女子型」と名付けた価値観では、「若年層の女性が中心で、自分自身に関心が強く、自分へのご褒美を重視している」といった特徴があります。

価値観は、複数の因子から構成されています。これまでの課題はID-POSや商品マスタ群、価値観分類を含む会員マスタ群などさまざまなデータソースから、分析に必要な項目を精査しデータマートとして整備することでした。データマートの整備は基本的に人の手で職人的に行う必要がありました。この作業に大きな工数がかかり、価値観と購買の関係という最も重要な分析になかなか手が回せない状況に陥ってしまったのです。「データマートは、データの変化や、新しいデータの追加、新しい商品のトレンドなど、一度作成したら終わりではなく、継続的にメンテナンスをする必要があります。ターゲティングをより多くの商品へと拡大していく必要がある一方で、外部のデータサイエンティストへ委託すると、柔軟な対応が難しく、またコスト面も課題でした」(小林氏)

そこで小林氏は、これらの課題を解決するための打開策を模索。その解決の糸口となったのが、データマートを自動生成し独自のAIによって特徴量抽出を自動化する「dotData」です。

一流のデータサイエンティストと同等だったdotDataの分析精度

リソースが不足しているうえに、データマート修正への柔軟な対応や外部委託が難しいという現実を踏まえれば、「自動化が必要不可欠でした」と小林氏は説明します。ただし、自動化を実現できるとしても、dotDataの抽出する特徴量や分析精度の品質が低くては意味がありません。「導入の検討にあたり、dotDataと外部の大手データ分析コンサル企業に同じ条件を与え、その分析結果を比較・検討するテストを実施しました。その結果、dotDataは一流のデータサイエンティストとそん色ない分析結果を得ることができました。さらに、dotDataを利用するにあたり、人手でのデータ加工をほとんど必要としなかったため、これしかないという結論に至りました」(小林氏)

dotDataを導入した最大の理由として小林氏が挙げたのは、データの変化や追加に柔軟に対応できることです。ローソンには、全国に展開する約1万5000店舗のデータが日々蓄積していきます。これを細かく分析するために必要な特徴量の抽出とデータマート作成が大きな課題であり、これを解決するツールとしてdotDataが最適解だったのです。また、導入の際、人的リソースを増やさず既に部門にいる人材でも使えるツールにするべく使いやすさにこだわった独自のUIにdotDataを組み込みました。

これにより、データ分析の知識や経験がないマーケティング部門の担当者でも、いくつかの必要な情報の入力やパラメータの選択を行うだけで、予測モデルの作成などが可能になりました。誰にでも簡単に扱える「使い勝手の良さ」にまで気を配ることで、「難しいから使わない」や「分からないから分かる人にやってもらう」といった弊害をなくしている点も、データ活用を進めるための重要なポイントです。専門家でなくても、分析結果を必要としている人が結果をみられるようになったことで、データの価値も上がり、活用範囲が広がっています。

広告デザインの最適化で商品購入率が約12倍に

広告デザインの最適化で商品購入率が約12倍に

dotDataを活用した「価値観に基づくターゲティング」は、ローソンが構築するBI(Business Intelligence)ツールに組み込まれており、販売促進、商品開発、パートナーであるメーカーとの連携などに活用されています。例えば、2021年に実施された大手菓子メーカーのロッテとの取り組みでは、まず、dotDataによって分析したローソン会員の価値観と「トッポ」(ロッテの菓子製品)の購買との関係から、デザイナーがさまざまな購入者の価値観に対応する複数のレシート・クーポンのデザインを作成。

さらに、dotDataの出力する予測スコアに基づいて、約20万人の会員を対象に、各会員の価値観に最適化されたデザインに基づいた、「トッポ」の新商品のレシート・クーポンを配信。その結果、予測スコアによるターゲティング精度の向上によって4倍、価値観によるデザインの最適化によって3倍、トータルで購入率が12倍まで大きく向上し、dotDataを活用した価値観に基づくターゲティングの高い有用性が示されました。

「性年代別という大枠ではなく、個々人の嗜好に合わせてアプローチできれば、ローソンの商品の魅力を適切な購買者に伝え、販売数を伸ばすことができるという仮説をもとに、価値観に基づくターゲティングの開発をスタートさせました。この事例で、それが間違いではなかった
と証明することができました」(小林氏)

Cookieレス時代の新たな購買者理解に向けて

ローソンは今後、「価値観に基づくターゲティング」をさまざまな形で展開していく予定です。会員一人ひとりのデータを用意し、スマホアプリとの連携による最適化したターゲティングやカスタマージャーニーの設計、店舗運営、新店舗出店なども視野に入れています。小林氏は「近い将来に取得が難しくなるCookieの代わりに、小売店舗における購買が、購買者を理解するための重要なデータとなると考えています」と、次のステップに目を向けています。

また、前出の事例により「Cookieレス時代に向けた新しいデータ マネジメントモデルとしての活用を検討しています。商品を繰り返し購入してくれる可能性が高い方に、メーカーは直接アプローチできませんので購入者の接点となる小売の強みをより活かすことができるはずです」と小林氏は言います。自社のデータを活用し、メーカーの商品開発や販促活動を促進することで新たな収益の柱を作ることができます。

最後に小林氏は、「データを多く保有されている企業ほど、データ価値を最大限に引き出すためにdotDataが力を発揮します。データ分析が企業の競争力となる中で、分析のスピードや柔軟性を最大化するために、外部への委託ではなく、分析の内製化を進めたいと考えている方には、dotDataを最適なソリューションとしておすすめします」と語りました。

株式会社ローソン

https://www.lawson.co.jp/
所在地 〒141-8643 東京都品川区大崎1-11-2 ゲートシティ大崎イーストタワー
従業員数 10,362名 ※連結
創業日 1975年4月15日
事業内容

「マチのほっとステーション」を合言葉に、コンビニエンスストア「ローソン」をフランチャイズチェーンで展開。社会の課題や多様に変化する価値観をいち早くキャッチし、イノベーションや商品サービスの強化に取り組み続けている。国内での総店舗数は、2022年2月末現在
で14,656店に上る。

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