AIモデル開発の前処理の工数を40%削減
dotData導入で新ビジネスモデルを開拓へ
業界:印刷業
ソリューション:予測分析 マーケティング
佐賀県に本社を置き、九州エリアを中心に東海エリアや首都圏の企業に対して商業印刷サービスを提供する福博印刷。同社は現在、昨今のデジタル化の流れを受けてデータ分析のサービスに力を入れています。その一環としてdotDataを活用したAI分析を導入し、顧客に対してDMを使ったより精度の高いマーケティング施策を提案する、新たなビジネスモデルの開拓に向けて動き始めました。
課題
- AIに投入する学習データの加工や特徴量の検討といった『前処理』に多くの手間と時間を要しており、お客様への提案・報告やユースケースの検討といった本来注力すべき業務に十分取り組むことができない
- クラウド型のAutoMLサービスを導入したが、結果がブラックボックス化してしまい「どの特徴量が結果にどの程度影響を与えているか」が分からず、顧客に施策の根拠を説得力のある形で示すことが困難
ソリューション
効果
- dotDataを使って生成したモデルは従来のモデルより高い精度を達成しただけでなく、それまで使っていたクラウド型AutoMLツールと比べて前処理にかかる工数を40%も削減
- DMの反応率に影響する特徴量も可視化され、その内容もこれまでの実績とほぼ合致
お客様の声
生方 一成氏
当初はPythonやR言語を使って機械学習のモデルを生成して、チラシやDMの効果検証や予測、スコアリングなどを行っていました。ただ、AIに投入する学習データの加工や特徴量の検討といった『前処理』に多くの手間と時間を要しており、お客様への提案・報告やユースケースの検討といった本来注力すべき業務に十分取り組むことができませんでした。
柴田 学氏
dotDataを使ってどのようなデータ利活用のメリットをお客様に提供できるか、これから弊社内の営業担当者に周知するとともに、私たち技術担当者が営業に同行してお客様に直接ご説明する機会も設けていきます。将来的には営業施策将来的には営業施策だけでなく、社内業務の効率化や生産性向上にもぜひdotDataを活用していきたいと考えています。
学習データの加工や特徴量の
検討が負担に
佐賀県佐賀市に本社を構える福博印刷は、冊子やパンフレット、チラシ、DMなどの商業印刷サービスを手掛ける企業。その設立は1948年と古い歴史を持つ企業でありながら、近年では世の中のデジタル化の流れにいち早く対応するため、データ分析を用いたコンサルティングサービスやデザイン・ブランディング支援なども広く提供しています。その取り組みの一環として、福博印刷では10年以上前からデータマイニングのサービスを提供してきました。その具体的な内容について、同社の生方一成氏は次のように語ります。
「主に流通・小売業のお客様からPOSデータとポイントカード情報をお預かりして弊社で分析を施すことで、チラシの効果検証や顧客分析、エリアマーケティング分析などを支援してきました」従来はBIツールを使ってこれらのデータを分析してきましたが、2016年ごろにディープラーニング技術が注目を集め始めたころから、福博印刷でもいち早くAIを使ったデータ分析手法を取り入れました。しかし、同社の柴田学氏によれば、当時のAI開発環境にはさまざまな面で課題があったと言います。
「当初はPythonやR言語を使って機械学習のモデルを生成して、チラシやDMの効果検証や予測、スコアリングなどを行っていました。ただ、AIに投入する学習データの加工や特徴量の検討といった『前処理』に多くの手間と時間を要しており、お客様への提案・報告やユースケースの検討といった本来注力すべき業務に十分取り組むことができませんでした」
こうした課題を解決するために、クラウド型のAutoMLサービスを導入しましたが、結果がブラックボックス化してしまい「どの特徴量が結果にどの程度影響を与えているか」が分かりませんでした。その影響で、顧客に施策の根拠を説得力のある形で示せなかったのです。
dotData導入で前処理に掛かる工数を40%削減
こうした課題を解決できる方法を模索していたところ、出会ったのが「dotData」でした。dotDataはAI開発で福博印刷が苦労し、大きな工数を要していたデータ加工から特徴量の設計を自動化する独自の技術と、どの特徴量が目的変数にどの程度影響を与えるかを分かりやすい形で可視化してくれるため、福博印刷が抱えていた課題を解決する最適なソリューションに映ったのです。
そこで早速dotDataのパートナーである大塚商会とdotDataの効果検証を実施。過去のDM印刷・配布案件のデータを用いて、DMの反応率が高いであろうと予測される送付対象者をスコアリングするモデルを生成し、その精度を過去の実績と比較しました。効果検証の結果、dotDataを使って生成したモデルは従来のモデルより高い精度を達成しただけでなく、それまで使っていたクラウド型AutoMLツールと比べて前処理にかかる工数を40%も削減できました。さらにはDMの反応率に影響する特徴量も可視化され、その内容もこれまでの実績とほぼ合致していました。
福博印刷はこの成果を受けて、中堅・中小企業向けに価格・構成を抑えた「dotData Lite」を正式導入することを決定し、2023年1月から本番運用を開始しました。運用を開始してまだ間もないものの、営業部門では早くも「dotDataを使って顧客に新たな価値を提供できるのではないか」と期待を寄せている担当者も多いようです。具体的には、DMやチラシの効果が高いとdotDataが予測した対象者に絞ってDM・チラシを送付することで、これまでより費用対効果の高いマーケティング施策を顧客に提案できるようになるのではないか、と柴田氏は語ります。
「dotDataを使ってどのようなデータ利活用のメリットをお客様に提供できるか、これから弊社内の営業担当者に周知するとともに、私たち技術担当者が営業に同行してお客様に直接ご説明する機会も設けていきます。将来的には営業施策だけでなく、社内業務の効率化や生産性向上にもぜひdotDataを活用していきたいと考えています」
福博印刷株式会社
https://www.ding.co.jp/所在地 | 〒849-0918 佐賀県佐賀市兵庫南4-22-40 |
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従業員数 | 231名 ※2021年5月現在 |
創業日 | 1948年9月 |
事業内容 | 創業から長年にわたりパンフレットやチラシ、DMなどの商業印刷サービスを展開。近年は印刷以外の事業にも注力し、インターネット事業やブランディング事業のほか、デジタル技術を活用したデータ分析やコンサルティングサービスなども提供する。 |