先進企業はデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、AIをはじめとした先端IT技術を活用することで多大なメリットを享受しています。一方、日本の大多数を占める中堅・中小企業は、大手企業ほどDXを進めるための潤沢な人材やコストを有しておらず、その対応の遅れからビジネス競争力の差がより開いてしまうことが懸念されます。日本全国の中堅・中小企業約140万社を対象に、多彩なITソリューションを提供する大塚商会の山口大樹氏は「既に大手企業ではビジネスへのAI活用は効果を上げ始めており、遅かれ早かれ中堅・中小企業でもAIソリューションは普及するだろうと見ています」と、今後の見通しについて話します。しかし、現状では機械学習を用いたソリューションは、ほとんどの中堅・中小企業にとってハードルが高いようです。
「AIを導入している中堅・中小企業は、ほとんどないのが実情ではないでしょうか。その理由は、人材の確保とコスト面にあります。ただでさえIT人材の不足に悩まされている多くの中堅・中小企業にとって、機械学習を分析や予測に活用できる高度なスキルを持つデータサイエンティストを自社で雇用する余裕は到底ありません。また、外部の専門家に分析を依頼する場合は相当な費用が必要になってしまいます」(山口氏)