日本生協連の通販本部は、衣料品(アパレル)や、寝具・インテリア・家具などの家庭用品を中心に、年間約600億円規模のカタログ事業を展開しています。年間で約160種類のカタログを制作しており、全国で100をこえる会員生協ごとに毎週どのカタログを配布するか決めていますが、配布時期、配布部数、配布するカタログの組み合わせ、などその条件は毎週バラバラで非常に複雑です。
さらに需要予測(計画数策定)を困難にしているのが、紙面(売り場)の変動です。全く同じ商品であっても、掲載される面積の大きさ(面積効率)や、モデルがその服をカタログ上で着用しているか(メインカラーか否か)によって売れ行きは変動します。新商品の追加やカラー展開など都度条件が変わるため、単純な過去の実績集計だけでは通用しない特殊な難しさがありました。
通販本部で計画数予測業務を担うメンバーは、当時の状況を次のように振り返ります。「従来はExcelを用いて過去の実績を引っ張り出し、面積効率などの指標に当てはめながら、最後は20年の経験を持つベテランのノウハウを頼りに手作業で計画数を組み立てていました。ジャケットなどの全体数から色、さらにサイズへと手動で段階的に分解していくため、他の業務を並行しながらだと1〜2ヶ月もの時間がかかっていました」
人間による予測では、全体の的中率が5割〜6割前後で停滞しており、商品の約半分で予測が外れてしまうことが課題でした。予測が外れれば、倉庫内の不要な在庫が発生し、結果として物流コストが多く発生します。逆に発注が足りなければ機会損失(欠品)を起こして組合員に迷惑をかけるというジレンマがあり、さらに人事異動で新人が入るたびに感覚のブレによって精度が落ちるリスクもあったため、属人化を解消しデータを客観的なファクトとして扱える仕組みへの移行が求められていました。