大塚商会「受注件数7倍」の効果を生んだAIサービス 機械学習を中堅・中小企業の身近なものに

「受注件数7倍」の効果を生んだAIサービス機械学習を中堅・中小企業の身近なものに
大塚商会は、dotDataを活用し、営業活動における生産性を大幅に向上させている企業です。同社がこれまで培ったAI活用のノウハウを中堅・中小企業のお客様にも活用していただきたいという考えから、dotData社と協力し、データさえ用意すればdotDataの機械学習モデルによる分析結果を得ることができる「dotData AI分析サービス」を開始しました。このサービスは、既に「コールセンターでの受注件数が7倍になった」などの事例も出ています。大塚商会は中堅・中小企業の課題解決を支援するため、dotDataとともにAIソリューションの提供にさらに力を入れていきます。
課 題 | 効 果 |
・ 高額なコストが掛かる機械学習は中堅・中小企業にとって導入ハードルが高い | ・ dotDataの高速で自動化されたデータ分析で、高度な知識・スキルがなくとも機械学習が可能に |
・ 多くの中堅・中小企業ではデータサイエンティストを雇用する余裕がない | ・ dotData社との協議で中堅・中小企業でも手が届く、小規模AutoML環境を提供 |
・ 高額なAutoML製品を利用するためのビジネススキームが存在しない | ・ 高い精度の予測やターゲティングで、PoCから効果を発揮 |
中堅・中小企業にはハードルが高い機械学習
先進企業はデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、AIをはじめとした先端IT技術を活用することで多大なメリットを享受しています。一方、日本の大多数を占める中堅・中小企業は、大手企業ほどDXを進めるための潤沢な人材やコストを有しておらず、その対応の遅れからビジネス競争力の差がより開いてしまうことが懸念されます。
日本全国の中堅・中小企業約140万社を対象に、多彩なITソリューションを提供する大塚商会の山口大樹氏は「既に大手企業ではビジネスへのAI活用は効果を上げ始めており、遅かれ早かれ中堅・中小企業でもAIソリューションは普及するだろうと見ています」と、今後の見通しについて話します。しかし、現状では機械学習を用いたソリューションは、ほとんどの中堅・中小企業にとってハードルが高いようです。
「AIを導入している中堅・中小企業は、ほとんどないのが実情ではないでしょうか。その理由は、人材の確保とコスト面にあります。ただでさえIT人材の不足に悩まされている多くの中堅・中小企業にとって、機械学習を分析や予測に活用できる高度なスキルを持つデータサイエンティストを自社で雇用する余裕は到底ありません。また、外部の専門家に分析を依頼する場合は相当な費用が必要になってしまいます」(山口氏)

20年自社でデータサイエンティストを雇用できない中堅・中小企業のお客様にとって、最もメリットが大きいのがdotDataだと判断しました。
株式会社大塚商会 執行役員 トータルソリューショングループ 山口 大樹 氏
AIの有効活用は厳しい競争環境を生き残る大切な戦略の1つかもしれません。ぜひ dotData分析サービスを体験してください。
「コールセンターの受注件数が7倍に跳ね上がった」例も
まだまだ数は少ないものの、AIを導入している中堅・中小企業は、既に大きな成果を得ているようです。山口氏によると、中堅・中小企業の最も多い用途は「将来の経営指標を予測する」というものです。市場の需要予測や店舗の売上予測、あるいは従業員の退職リスクを予測する「離反予測」などの目的で導入しています。また、あるクレジットカード会社では、カード会員の離反やゴールド課員へのランクアップを予測する目的で活用しているといいます。
特定の対象を分類・ターゲティングする目的で導入する企業も多く、中には顕著な効果が表れている事例もあります。「あるお客様が、コールセンターでの契約率が高いであろう顧客のリストを抽出したところ、受注件数が7倍にもなりました。念のためにAIが抽出したリストとそうでないリストでの受注率を3回に渡ってABテストで比較しました。いずれも7倍前後の差が生じたので、効果を発揮していることがわかります」(山口氏)
これらのケースは、ハードルが高い機械学習を中堅・中小企業にとって身近なものにすべく、大塚商会が2021年6月から提供を開始した「dotData AI分析サービス」を導入している企業です。2022年4月時点で、既に30社以上の中堅・中小企業が同サービスを使って経営課題の解決に取り組んでおり「高い精度の分析や予測を実現し、お客様から好評です」と山口氏はその導入効果を強調します。

予測精度の高度化と作業時間の大幅な削減を実現
dotData AI分析サービスの導入により、既に成果を上げている中堅・中小企業の1つに、飲料品卸売会社があります。これまでは受注予測に基づき製造・出荷準備を行っていましたが、予測と実績の乖離が解消できないという課題を抱えていました。カタログの記載面積やキャッチコピーなどが実績に影響すると考えていましたが、それを数値として管理できておらず、担当者の経験や勘による予測が続いていたのです。
「属人的な運用のため、予測の安定性に欠けるほか、多大な労力が必要になります。そこで、受注数予測をAIによって高精度化できないか、PoCによる検証を行いました。数値化したカタログ情報を過去の販売履歴やコール先のリストとともにdotDataに投入し、カタログとチャネル毎の受注数予測をAIで構築し、評価。その結果、担当者予測よりも高い精度での予測が可能であることが分かりました」(山口氏)
さらに、予測作業が自動化されるため担当者の負荷が大幅に軽減し、個別商品の調整業務に時間を割けるようになったなど、付加価値も得られました。予測精度の向上はもちろん、自動化による時間削減の効果も高く評価し、今後もdotData AI分析サービスを継続的に利用していくようです。
AIの本格利用や内製開発を支援し、お客様のデータドリブンな経営に貢献
このように、AIは企業規模を問わず、ビジネスに多くのメリットをもたらします。山口氏は、AI活用の有無が、今後の中堅・中小企業の競争力に直結すると強調します。
「中堅・中小企業も、今後はAIをはじめとするIT技術を有効活用できなければ、市場で生き残っていくことは困難です。特徴量や分析結果をもとに、具体的な戦略を策定できるAIがいずれあらゆる企業にとって必須のテクノロジーとなることは明白です。具体的な戦略を策定できる右腕になるAIの効果を、ぜひdotDataサービスを使って体感してください」(山口氏)
今後、大塚商会では、dotDataを軸に据えた中堅・中小企業向けのAIソリューションをさらに加速させ、中堅・中小企業のデータドリブン経営を広げていくことになりそうです。
株式会社大塚商会

所在地
〒102-8573
東京都千代田区飯田橋2-18-4
従業員数
7,480名
創業日
1961年7月17日 (1961年12月13日、株式会社として登記)
お問い合わせ先
AIビジネス推進チーム
ai-business@otsuka-shokai.co.jp
事業内容
ITで日本/オフィスを元気にする」という企業理念の下、IT機器やシステムの提案から導入までを行なう「システムインテグレーション事業」と、導入後に運用面での支援を行う「サービス&サポート事業」を連携させることで、中堅・大手企業のDXとワークスタイル変革を強力に支援している。
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