カスタマーリレーションテレマーケティング dotData AI活用事例
カスタマーリレーションテレマーケティング株式会社

テレマーケティング施策の成約率が7倍に向上
コールセンター業務のAI適用を素早く低コストで

業界:マーケティング
ソリューション:架電リスト最適化 成約率向上

大阪市に本社を構え、コールセンター事業者としてクライアント企業のマーケティング・セールス業務を支援するカスタマーリレーションテレマーケティング。同社はクライアントから請け負うテレマーケティング案件の成果を従来よりさらに高めるために、AI技術の活用に取り組んでいます。その一環としてdotDataを使った架電リスト最適化の仕組みを導入したところ、成約率が7倍も向上するなど大きな成果を上げています。

課題

  • 個人のスキルや経験に頼る部分が大きく架電リスト作成業務が属人化している
  • A Iによる架電リスト自動作成でのテレマーケティング精度向上
  • シンプルかつ低コストで導入・運用できるAIの仕組みを模索

効果

  • AIを使った架電リストのスコアリングにより成約率が大幅に向上
  • 低コストでかつ既存の業務フローに馴染みやすいシステム化が可能に
  • 架電リスト関連の業務負荷が低減、他業務により多くのリソースを割り振れるように

お客様の声

植原 大祐氏
カスタマーリレーションテレマーケティング株式会社 代表取締役

植原 大祐氏

弊社はもちろん、お客様にもより多くの価値を還元できるようになる夢のような技術です。

テレマーケティング施策の結果を左右する「架電リストの品質」

カスタマーリレーションテレマーケティング(以下、CRTM)は4300席のコールセンターを運営し、100社強のクライアント企業に対してコールセンター業務や営業・マーケティング業務のアウトソーシングサービスを提供するコールセンター事業者です。競合他社の多くがインバウンド業務を自社の事業の中核に据えているのに対して、CRTMはクライアント企業の営業やマーケティング施策を支援するためのテレセールス、フィールドセールス支援といったアウトバウンド業務に強みを持つのが特徴です。特に通信事業者や保険業者などのマーケティング・セールス支援には豊富な実績を誇ります。同社のアウトバウンド事業は、単にクライアント企業から手渡された架電リストに対して電話をかけるだけではなく、より成約率が高い架電リストの提案を行うなど、クライアントに対してプロアクティブなサービスを提供しています。

「一見すると同じようなテレマーケティング施策でも、リストの内容によって成約率が大きく異なってきます。そのため、より成約率が高いリストを作成することがテレマーケティングにおいては極めて重要であり、弊社もこれまで培ってきた知見やノウハウを総動員してリストの最適化に日々取り組んできました」

こう語るのは、CRTMの代表取締役を務める植原大祐氏。より成約率が高い架電リストの作成は同社の事業にとって極めて重要なだけでなく、クライアント企業により高い価値を提供する上でも欠かせない取り組みとなっています。そのためこれまでもリストの検討作業にはかなりの労力を費やしてきました。ところが、その作業を主に担うスーパーバイザーやマネジャー個々人の勘や経験に頼る部分が大きく、課題も少なくなかったと言います。

「個人のスキルや経験頼りだとどうしてもノウハウが属人化しがちで、担当者によってかなり結果のばらつきが見られました。こうした状況を改善するために、属人性を排して客観的な根拠を基にリストの最適化を行える方法がないか模索してきました」(植原氏)

AIを活用して成約率の高い架電リストを自動生成

AIを活用して成約率の高い架電リストを自動生成

そこでCRTMが着目したのが、AI技術の活用でした。AIで「より成約率が高そうなユーザー」を自動的にピックアップし、それらを基に架電リストを作成すれば自ずと成約率も向上するのではないか。こうした仮説を立て、同社は某大手ベンダーにAIを使ったリスト最適化の仕組みの開発を依頼しました。完成したシステムは、「どのリストに対して」「どの時間帯に」「どのオペレーターが」コールすれば最も成約率が向上するかを事細かに指示してくれる、極めて高機能なものでした。

しかし、植原氏はこの仕組みは結局現場に根付くことはなかったと話します。「弊社のコールセンターのオペレーターの多くはアルバイトやパートタイマーの方々によって構成されているので、特定の時間帯に特定のオペレーターを確実にアサインするような運用は困難でした。そのため、せっかく開発したこのシステムも、現場で運用するのは現実的に困難でした。また開発にかなりの時間とコストがかかるため、弊社が手掛けるさまざまなマーケティング施策に素早く横展開していくことにも難しさがありました」

そこで、これに代わる仕組みを検討する中で、出会ったのが「dotData」でした。植原氏はdotDataのことを初めて知ったときから、「これなら使えるかもしれない」と直感的に感じたと言います。「dotDataを使うと、架電リストの中に含まれているコール対象者一人ひとりに対して、高い成約率が見込めそうな順番でスコアを付与できます。それまで利用していたシステムと比べると極めてシンプルな仕組みですが、その分既存の業務プロセスに無理なく組み込めそうだと感じました。また、コスト的にもそれまでの仕組みと比べてかなり安価に抑えられるため、費用対効果にも優れていました」

dotDataが導き出したリストによって成約率が7倍に

CRTMは早速、dotDataの概念実証(PoC)に取り組みました。クライアントから受注したある実案件を対象に、dotDataを使って架電リストのスコアリングを実施。具体的には、架電対象者に関する各種情報と過去の実績データを基に、大塚商会のエンジニアがこの案件のユースケースに最も適しているであろうAIモデルを作成しました。そして、これを用いて架電対象者一人ひとりに対して成約率の予測を行い、スコアが高い順番にリストを作成しました。そのリストをコールセンターの現場に共有し、スコアの高いコール対象者から優先的にコールを行った結果、明らかにこれまでとは違う手応えを感じたそうです。

「短期的なPoCの段階から、それまで使っていた他のAIと同等以上の精度があり、さらに運用とともにdotDataの特徴量によってさらに精度が向上していきました。最終的には、これまでのように人の手で作成したリストと比べ、dotDataを使って作成したリストでは7倍もの成約率を達成できました」(植原氏)

コール業務を行う現場からも、これまでの仕組みと比べて運用がはるかにシンプルな分、「既存の業務プロセスに載せやすい」と好評です。さらには、これまでリストの検討に多くの時間と労力を割かれてきたスーパーバイザーやマネジャーからも、「dotDataによって自動的にリストが最適化されるため、これまでリスト作成に費やしてきた時間を節約でき、その分をコール品質の向上など他の付加価値の高い業務に注力できるようになった」という声が上がっています。

今後はより広範な業務にdotDataを適用していく

今後はより広範な業務にdotDataを適用していく

この結果を受け、CRTMでは早速ほかの案件に対してもdotDataを活用したリストの作成やスコアリングを適用するようになりました。着実に成約率向上の成果が表れており、今後はより多くの案件にdotDataを適用していきたいと植原氏は語ります。

「弊社ではこれまで、少しでも成約率を上げるためにリストの内容を何度も検討し直したり、トークスクリプトを地道に改良したりといった施策を重ねてきました。しかし、それでも上乗せできる成約率はごくわずかなものでした。そんな中、一気に成約率を7倍にまで挙げられるというのはまさに夢のような技術だと思います。これをより多くの施策に適用していくことで、弊社はもちろん、お客様にもより多くの価値を還元できるようになると考えています」

より少ない手間で高い成約率を達成できるようになれば、その分クライアントに提示する報酬額を低く抑えられるようになります。そして、これまではコストの制約があったために踏み出せなかった施策にも新たにチャレンジできるようになり、さらに高い成果を獲得できる可能性が広がります。同社では、「dotData Lite」という中小規模向けに構成と価格を抑えたdotDataを自社環境に導入し、AIの内製開発と、素早くdotDataを横展開できる仕組みの両面で体制の整備を進めています。さらに将来的には、アウトバウンドのテレマーケティング業務以外の領域にもdotDataを適用していきたいと植原氏は抱負を語ります。「dotDataはとても汎用性が高い仕組みで、さまざまなユースケースに適用できるため、将来的には離職率や顧客満足といった領域の予測にも生かしていきたいですね」

カスタマーリレーションテレマーケティング株式会社

https://www.crtm.co.jp/
所在地 〒530-0057 大阪府大阪市北区曾根崎1-2-9  梅新ファーストビル9階
従業員数 4000名 (アルバイト・派遣含む) ※2021年12月31日現在
創業日 2007年4月
事業内容

「世界一、『ありがとう』が集まる企業へ。」という理念の下、関西最大級のコールセンターを運営するほか東京、愛媛、札幌にも拠点を展開。顧客の課題に合わせ、アウトバウンドとインバウンドを問わず、さまざまな形態でのCRMテレマーケティングソリューションを提案している。

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