dotDataは、2015年に創業者の藤巻がNECの北米研究所で開始したプロジェクトから始まりました。NECの主席研究員として数多くの企業と業務データを分析し、プロジェクトをリードする経験を通じて、企業におけるデータ利活用の本質は、AIや機械学習などの高度な数理アルゴリズムではなく、データの中に潜在するパターンやビジネスの洞察であるという考えを強くしていきました。ビッグデータの時代からデータ利活用が重要になると言われる中で、自らのプロジェクトを見返ると、博士号を持つような研究員が、手作業で何百、何千もの仮説(特徴量)を、数ヶ月もかけて試行錯誤し検証している。企業におけるデータ活用や機械学習のような高度な分析を広く普及させるためには、このプロセスを解決する必要があると考え、特徴量自動設計技術を開発しました。
2016年末に、特徴量自動設計が三井住友銀行との技術検証で大きな成功を収め、プロジェクトは事業化検討の段階に入ります。藤巻とチームメンバーは、従来のR&Dの枠を超えた事業化が必要であると感じていました。進化の早いデータ分析の市場では、研究・製品化・事業化の縦割りの構造ではスピードで負けてしまうため、これら全てを一つのビジョンのもとで進める必要がある。また、データ分析分野の主要なソフトウェアの多くは北米発であり、北米という厳しい市場で揉まれることによって、真にグローバルに通用する技術と製品へと成長させることができる。2017年、NECの経営陣と様々な方法を検討した結果、NECの一丁目一番地とも言える、AIのコア技術と主席研究員である藤巻を筆頭とするチームがNECからスピンアウトし、NECの外で成長させるという決断をし、2018年2月にシリコンバレーでdotDataが誕生しました。dotDataとは、日本の大企業のR&Dの新たな形への挑戦でもあるのです。