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電子部品卸売業者、AIによる信用リスク評価で未回収売掛金1,500万ドルを回収

7月 13, 2022

課題

• 従来の手作業での信用リスク評価手法では、10,000社を超える顧客全ての対応は不可能

• コロナ禍で顧客の債務不履行が増加し、リスクの予測と予防が急務


• データサイエンス活用の実績がなく、機械学習モデルの構築が困難



ソリューション

dotData独自の特徴量自動設計技術は、様々なカテゴリーにまたがる何十億ものデータを同時に分析することが可能

• 特徴量自動設計と自動機械学習を組み合わせて活用することで、専門家に頼ることなくモデル構築が可能

• dotDataが生成する透明性の高い特徴量やモデルは、事業部門のユーザーにも理解できる説明可能な洞察を提供

結果

• 未回収売掛金の発生を予防するためのカギとなる400以上のパターンを発見


• 新しいモデルを使用し、従来の手作業の予測分析の8割を自動化


• 1,500万ドル以上の未回収売掛金を回収。その結果、収益が増加


新型コロナウィルス大流行の初年度(2020年3月~2021年2月)は、取引や収益の減少により、米国では例年より20万件多い80万件以上の企業が廃業しました。

中小企業の収益は変動しやすく予測不可能なことが多いため、請求書の支払期限を過ぎても支払えないことがあります。そのため、多くの中小企業を顧客として持つB2B企業において、売掛金を管理する経理部門には大きな負担がかかります。債務管理者が手作業で顧客の債務リスクを評価するとなると、莫大な時間がかかってしまいます。
今回ご紹介するクライアントは、米国最大の電気部品卸売業者の一つで、150の拠点と2000人以上の従業員を擁し、10,000社以上の顧客から年間10億ドル以上の収益を上げています。

業界の課題:市場は危機的状況に

B2Bビジネスにおいて、売掛金を管理する経理部門の役割は大きく、安定した収入で支出を確実に賄うことは企業の継続的な収益確保にとって極めて重要です。しかし、中小企業の請求書払いは、新型コロナウィルス大流行による米国経済の悪化により、これまで以上に不安定になっています。

PYMNTSとAmerican Expressの共同レポートによると、B2Bの売掛金の15%が債務不履行になっているそうです。このクライアントにおいても、未払いの請求書が大きな問題となっており、毎月約100万ドルの未払債務が発生していました。同社の150以上の拠点が請求書を発行している訳ですからもちろん請求書の数は膨大で、支払遅延も多く、地域ごとの未払債務の管理は困難な状況になっていました。
米国では近年、毎年60万社以上の企業が廃業していましたが、新型コロナウィルス大流行の初年度(2020年3月~2021年2月)には、米国政府の中小企業支援策にもかかわらず、取引や収益の減少により、さらに20万社以上の企業が閉鎖を余儀なくされました。
また、Atradiusの調査によると、新型コロナウィルス大流行以来、請求書の未払いが前年比で72%も増加していることが明らかになりました。Atradiusが卸売業者を対象に実施した調査では、43%の請求書の支払が遅延しており、市場において流動性の問題も広がっていることが示されました。

クライアントが抱えていた課題

  • 各地域の与信管理者は、数千社もの顧客の債務不履行リスクの予測に苦戦
  • リスク評価を手作業で行うのは限界があり、組織全体で10,000社を超える顧客に対して大規模に展開していくのは不可能
  • 手作業による債務リスク評価では見落としも起こりやすく、結果、何千もの「リスクのある」顧客が放置されたままに

理想は、各地域の与信管理者が未払いに陥りそうな顧客を的確に予測し、許容できないレベルの負債を抱えることになりそうな顧客に対して早期に適切なアプローチができるようになることでした。しかし、リスクのある顧客は多数存在し、請求書追跡など労働集約的な作業が発生するため、手作業だけで対応するのは不可能でした。
このクライアントにおいては、主に次の2つの問題を抱えていました。まずは、顧客の支払遅延や倒産による債務不履行の増加です。このクライアントの多くは中小企業ですが、コロナ禍で企業の未払いに対応する中、小規模の建設プロジェクトが増えたことから中小の電器工具販売業者からの取引が急増しました。新規顧客の債務不履行リスクをしっかりと評価した上で契約することは重要ですが、過去の支払い記録がないためリスクを正確に評価することは不可能でした。そのため、従来のように手作業に頼らず、適切にリスクを評価するための新しいより効果的な手法を必要としていました。
もう一つの課題は、定期的に分析しなければならない顧客データと与信管理に関するデータが膨大にあるということです。各地域の与信管理者は、従来の信用スコアリングの方法を用いて、大口顧客にのみに焦点を当ててリスク評価し、リスクの高い顧客を本社にそれぞれ報告していました。
この場当たり的なプロセスは、各与信管理者の経験と勘に頼るもので、未払いの大部分を占める何千という中小企業や再販業者全てのリスクを評価をすることはできませんでした。数万社の顧客をカバーできるほどの与信管理者はおらず、与信管理者を増やして対応することも経済的に非効率でした。そして、必然的に大口顧客以外の何千もの未回収売掛金が、ほとんど管理されないまま放置されていました。

dotDataを選んだ理由

dotDataは大量の様々なデータを分析し、課題に対して重要なパターンを発見することに優れています。今回のケースでも、未払いになる可能性の高い顧客の初期の兆候を発見することに役立ちました。このクライアントは、dotDataを活用して、多くのデータソースから信用リスクの指標となるパターンを発見し、どの顧客が支払不履行に陥る可能性が高いかを事前に特定することができました。

従来の信用スコアリング手法は、データに隠された重要なパターンを見つけるための手がかりとなる顧客の行動を分析することなく、限られた静的なデータソースだけを用いて、その時点での信用スコアを提供していました。これに対し、dotDataの技術を活用すると、顧客データ、過去の支払い実績、店舗データ、購買パターンなど様々な種類の何百万という大規模なデータポイントを分析し、精度の高い予測モデルを生成することができます。

dotDataで生成された機械学習モデルは、人間の能力では対応しきれない膨大なデータから重要なインサイトを導き出すことを可能にします。それにより企業はデータから将来起こりうる問題の初期の兆候を発見し、債務不履行の状況に陥る前に予防措置を講じることができるようになります。今回のケースでは、予防措置として、リスクの高い顧客に対し契約金額の一部前払いを要求することにしました。また、一般に支払遅延が90日を超えると回収率が大幅に下がるので、リスクの高い顧客に対しては請求書を早めに送付するようにしています。

Retail Owner Finding Missing Items

dotDataによってもたらされた結果

  • 400以上のリスク指標・パターンを発見
  • 与信管理業務の8割を自動化
  • 継続的なリスク評価が可能に
  • 年間1,500万ドルの未回収売掛金を回収

dotDataのAI予測モデルを使用することで、同社は年間1500万ドルの未回収売掛金を回収しました。その額は同社の年間売上高の1%増に相当し、バランスシートを大幅に改善することもできました。AIによる債務不履行に対するリスク予測分析は、経験豊富な債務管理者による分析よりも効果的であることが証明されました。さらに、債務不履行リスクを正確に予測するパターンを特定し、自動化されたリスク対策プロセスに組み込むことができました。

このクライアントは、dotDataの特徴量自動設計(AutoFE)を使って、請求書、顧客情報、顧客の行動パターン、個々の店舗や地域のデータなど、膨大で多種多様なデータを分析しました。これらの異なるデータソースを組み合わせることで、繰り返し起こっている未払いと相関関係のある重要なパターンが浮き彫りになりました。いくつかは与信管理者が既に発見していたパターンでしたが、その予測を保証することに繋がりました。

今後の展望

dotDataから得られたリスク評価スコアを自動化された支払システムや請求書発行システムに統合することで、与信管理者は本来注力すべき業務に集中することができます。例えば、リスク予測分析にかかっていた手作業の80%をdotDataのAIが処理することで、与信管理者は大口顧客のハイリスクな取引に集中して対応することができるようになり、業務の効率性が上がりました。
AIシステムを活用することで、同社は請求書や支払い状況を継続的に分析できるようになり、リスクと相関性 のある兆候が現れるとすぐにその顧客や問題を特定することができました。過去のデータを繰り返し手作業で分析していたこれまでと違い、dotDataを活用して何万もの顧客の何百万ものデータをリアルタイムに分析して予測スコアに反映することで、リスクの初期の兆候を自動的に検知できるシステムに変わったのです。

このクライアントは、AIと機械学習を同社の技術スタックに組み込むことで、継続的にベストプラクティスを採用することができました。dotDataのAIで生成されたモデルが未払いのリスクの兆候を発見し、速やかに予防措置を講じることができるので、継続的に安定した収入確保を実現でき、変化する経済状況にも適応し続けることができます。このソリューションは、応急処置や緊急措置ではなく、継続的に価値を生むリスク軽減策であり、このクライアントは電子部品卸売を展開する全地域で企業収益を守ることができるようになりました。

dotDataについて

あらゆる規模の組織にとって、ビジネスのロー・データを価値ある有意義なデータマートに変換し、機械学習(ML)、人工知能(AI)、および従来のデータ分析やアプリケーションに容易に実装できるようにすることは最大の課題ですが、dotDataはそれを解決します。当社は、予測分析を始めたばかりの企業から、より成熟したデータエンジニアリング・プロセスを持つ企業まで、各企業のニーズに応じてカスタマイズされたソリューションを提供しています。dotDataのコアテクノロジーにより、企業はデータウェアハウスやデータレイクから、数百もの列と数百万もの行からなる様々なデータテーブル間の関係を見出し、データをデータマートや特徴量テーブルに自動変換することができます。当社のグローバル顧客は、当社のAI自動化プラットフォームを利用することで、希少で費用のかかる専門家リソースに頼ることなくML、AI、および高度な分析の導入を加速し、迅速なROIを達成しています。 
Forresterは、2019年にdotDataをMLとAIのリーダーとして認め、CRNはdotDataを4年連続で注目すべきベンダーリストに選出し、2020年のCB Insights Top 100 AI Startupsに選出されました。AI breakthrough awardでは、dotDataは2019年の「最高の機械学習プラットフォーム」として認められ、世界中のFortune 50のクライアントがdotDataを利用して、ML、AI、高度な分析のプロジェクトを加速しています。詳細については、https://jp.dotdata.com/をご覧いただき、TwitterやLinkedInをフォローしてください。

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dotData

dotData Inc.

dotData独自の技術である特徴量自動設計は、データサイエンスおよびAI開発工程の最も難しい部分である特徴量設計と事業適用化を自動化します。それにより、企業のAI・機械学習プロジェクトにかかる時間を短縮させ、より高いビジネス価値を生み出します。詳細はdotdata.com、Twitter、LinkedInからご確認いただけます。