単発で終わらせない!「データの活用」を業務に定着させる5つの実践ポイント

  • データ分析
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データ活用を業務に定着させ、継続的なビジネス成果を生むための鍵は、分析プロセスの「パイプライン化による自動化」と「業務オペレーションへの組み込み」にあります。本記事では、過去の単発分析から脱却し、データ分析自動化を通じて分析結果を業務サイクルに組み込み、毎月回る継続的な運用にするための具体的な実践ポイントを解説します。

データ活用が単発で終わる2つの理由

データ活用が単発で終わってしまう主な理由は、「属人化した手作業のプロセス」と「業務からの乖離」の2点にあります。企業がデータ活用ビジネスを推進する際、外部の専門家に依頼して立派なレポートが作成されたとしても、現場の意思決定に活かされなければ継続的な価値は生み出せません。具体的には以下のような構造的な問題が挙げられます。

  • 属人化した手作業のプロセス
    • 特定の担当者のスキルや経験に依存して、データ分析のロジックが組まれている
    • データの収集や加工に膨大な手作業が発生しているため、プロセスをスケールできない
    • 結果として、データ活用の事例が個人のノウハウに留まり、組織の資産として蓄積されない
  • 業務からの乖離
    • 分析作業と現場の業務フローが分断されている
    • 現場で日々更新される最新のデータを継続的に反映する仕組みがない
    • 分析結果が実際の業務において活用しやすい形になっておらず、アクションプランを策定しにくい

継続型データ活用を実現する5つの実践ポイント

データの活用をビジネスに定着させるには、最初から業務オペレーションでの活用を念頭に置き、分析プロセス全体をパイプライン化して自動化する5つのステップが必要です。

Step 1: 業務オペレーションを念頭に分析設計

データ利活用を進める上で、まずは「具体的な業務オペレーションで、分析結果をどのように活用するのか」を明確にします。利用するデータの種類を決め、現場で活用できるアウトプット(出力形式やタイミング)を逆算して分析を設計します。

Step 2: 現場で使える基準づくり

データに基づいて発見された新しい洞察を、一時的な気づきで終わらせてはいけません。それらを日々の業務で実行可能な基準やルールへと変換し、業務プロセスに落とし込みます。

Step 3: 分析プロセスのパイプライン化

データを収集・加工し、分析してレポートを出力するまでの一連のプロセスを統合し、自動化(パイプライン化)します。手作業による属人化を排除し、人的ミスや運用負荷を最小限に抑えることで、データの活用を安定させます。

Step 4: 業務オペレーションへの組み込み

作成した自動化パイプラインと新しい基準を、既存の業務フローの中に統合します。現場の担当者がスムーズに実行できるよう、分かりやすいインターフェースや定型レポート(スコアカード形式など)で提供することが有効です。

Step 5: 定期実行と人の判断を組み合わせる運用設計

自動化された分析結果を、豊富なドメイン知識を持つ現場の人間が解釈し、最終判断を下す体制を作ることが成功の鍵です。環境変化によるデータ傾向の変化(データドリフト)を防ぐためにも、定期的にStep 1の分析設計を再実行し、判断基準をアップデートしていく運用設計が求められます。

データの活用

データ活用の事例:内部監査業務における継続運用

内部監査業務に継続型データ活用を組み込むことで、過去の事例や担当者の経験則に頼っていた監査対象者の選定を、客観的かつ高精度に実施できるようになります。 以下は、従業員のコンプライアンス違反リスクの予兆を検知し、未然に防ぐことを目的とした運用の事例です。

従来アプローチの課題とデータ活用の目的

従来は専門人材の知見や勘に頼って対象者を選定していましたが、属人的な見逃しのリスクがあり、網羅性や客観性に課題がありました。そこで、データドリブンなリスク予兆管理の仕組みを導入し、膨大な従業員の中から効率的に監査対象者を特定することを目指しました。

リスクパターンの発見

不正の発生パターンは役職や職種(管理職か否か、営業職か技術職かなど)によって異なるため、従業員をセグメント分けして分析を行います。例えば、管理職のコンプライアンス違反リスクには、以下のように全く異なる2つのパターンが存在することがデータから明らかになりました。

  • 「部下を疲弊させる」タイプ:部下の深夜・週末残業が非常に多い一方で、自身は有給休暇を多く取得している。監督不届きで部下の不正に連鎖するリスクが高いパターンです。
  • 「自分を追い込む」タイプ:自身の残業時間が極めて多く有休取得が少ない一方で、部下の労働時間は少ないパターンです。

このような発見をもとに、「直近の3ヶ月間で残業時間が60時間以上」といった具体的な抽出条件を作成し、毎月の監査対象者の選定基準として活用します。

監査業務の自動化フローと継続的改善

毎月の監査業務を想定し、分析の単位を「社員×月」に設定した上で、以下のような自動化フローで運用しています。

  1. データの自動取得・加工:毎月、勤怠データ、異動データ、査定データ、適性検査データなどを自動で取得し、分析に適した形に加工します。
  2. セグメントごとのパターン抽出:AIが役職や職種ごとに分析を行い、コンプライアンス違反の予兆となるデータパターンを抽出します。
  3. 人の判断による条件の確定:AIが抽出した長大なパターンのリストを監査担当者が確認し、豊富なドメイン知識に照らし合わせて、実用的な抽出条件を厳選・確定します。AI任せにするのではなく、専門人材の知見を融合させることが重要です。
  4. 毎月のスコアカード自動出力:確定した抽出条件に基づき、毎月自動的に全従業員のリスクをスコア化し、リスクレポート(スコアカード)として出力します。監査担当者はこのレポートに従って実際の監査を実行します。
  5. フィードバックと半年に1回のルール更新:実際の監査結果をデータベースにフィードバックします。毎月の運用負荷を考慮し、抽出条件の全面的な見直しは半年に1回の頻度で実施し、ルールを最新の状態にアップデートします。

このように、自動化によるプロセス効率化と、専門人材による高度な判断を組み合わせることで、監査業務の精度を継続的に向上させることが可能になります。

dotDataによるソリューション:製品とサービスによる継続的なデータ活用

本格的なデータ活用を自社で定着させるには、分析プロセスを構築し実務へ組み込むというハードルが存在します。dotDataでは、製品である「dotData Insight」と、それを支える「3つのサービス」を組み合わせることで、現場主導の継続的な運用を強力にサポートします。

dotData Insight:業務部門が主役のビジネス・アナリティクス

dotData Insight」は、業務データから「特徴量(データパターン)」を自動抽出し、最適な条件(セグメント)の候補を提案するデータ分析プラットフォームです。主な特長は以下の通りです。

  • 生成AIによる仮説設計の支援:生成AIを壁打ち相手として分析結果の解釈やビジネスの仮説設計を行うことで、対話的かつ直感的に納得感のある抽出条件を設計できます。
  • スコアカードの出力:発見された特徴量をスコアに変換し、「分析対象それぞれのスコアのリスト(スコアカード)」として出力します。これにより、ターゲティングなどの具体的な業務アクションへ直結させることができます。
dotData Insight

継続型データ活用を支える3つのサービス

単発の分析で終わらせず、分析プロセス全体を業務オペレーションに組み込んでパイプライン化・自動化するために、dotData Insightの前・中・後(プレ・オン・ポスト)をカバーする3つのサービスを提供しています。

  1. データ整備支援サービス(プレ)
    散在するデータマートからのデータ抽出、クレンジング・整形などのデータ加工を自動化します。さらに、より良い分析結果を得るための役職や職種ごとのセグメンテーションといった前処理工程も支援します。
  2. dotData Insight自動実行サービス(オン)
    dotData InsightのAPIを活用し、一度確定した抽出条件に基づいて、毎月の定常分析を自動で実行する環境を構築します。これにより現場の運用負荷を最小化します。
  3. レポート作成サービス(ポスト)
    dotData Insightが出力したスコアカードを集計・可視化し、現場の業務担当者がそのまま実際の業務(監査など)で活用できる視覚的な統合レポートへと加工して定期配信します。

これらの製品とサービスを組み合わせることで、分析部門と業務部門の分断を解消し、データ活用によるビジネス価値の最大化を継続的に図ることが可能になります。

まとめ

データ活用は、単発の分析プロジェクトで終わらせるべきではありません。業務の効率化や迅速な意思決定を実現するためには、分析プロセス全体を自動化し、日々の業務オペレーションの中に「データに基づいて判断し、アクションプランを策定する」サイクルを定着させることが重要です。本記事で紹介した5つの実践ポイントを参考に、自社のデータ活用を「やりっぱなし」から「継続型」へと進化させ、データ活用によるビジネス価値の最大化を目指しましょう。

FAQ:データ活用・自動化に関するよくある質問

業務のサイクルに応じて見直しの頻度を柔軟に設定できます。データ活用のメリットを最大化するためには、ビジネスのスピードに合わせて見直しの頻度を3ヶ月に1回などに上げることも容易です。データ分析自動化パイプラインが構築されていれば、新しいデータや条件の変更に伴う見直し作業自体に大きな手間はかかりません。

一般的に、検証(PoC)から実際の業務への組み込みまで、最短で半年程度の期間を見込みます。まずは現在企業の中に蓄積されたデータを活用して3ヶ月程度の検証を行い、自動化パイプラインのプロトタイプを作成します。その後、1〜2ヶ月をかけて本番環境や実際の業務フローへの組み込みを行っていくアプローチが確実です。

プロジェクトの初期段階から、決裁権を持つ役職者(部長層など)を巻き込むことが最も効果的です。決断が早く現場を直接動かせる人物が最初から関わることで、データを分析して得られた洞察を実務へと適用する判断を即座に下すことができます。しかし、役職者の毎回参加が難しければ、少なくとも現場のキーマンの参加が欠かせません。現場のドメイン知識に基づいた判断体制を作ることが、ビジネスの成果を出し、持続的な運用を実現する鍵となります。

はい、小売業の在庫最適化や製造業の予防保守など、幅広い業務に適用可能です。その他にも、人事部門での離職リスク検知や、金融業の信用リスクモニタリングなどがあげられます。最新のデータからリスクや傾向を定期的に出力し、日々の具体的な業務やアクションプランの策定につなげていくサイクルは、様々なビジネスシーンで横展開が可能です。

Atsushi Kanda
Atsushi Kanda

データサイエンス・ディレクター。 伊藤忠商事、リクルート等を経て、2024年にdotData入社。dotData製品導入時の検証(PoC)を担当するデリバリーチームのリード、および個々のPoCのプロジェクトマネジメントを担当。 JDLA Deep Learning for Engineer(E資格)保有。

dotDataのAIプラットフォーム

dotData Insight 業務部門が自ら洞察を導き出す

dotData Insightは、事業部門が主役のビジネスアナリティクスを実現する革新的なデータ分析プラットフォームです。業務データに隠れたパターン(特徴量)を、BIツールのような直感的で使いやすいインターフェースを通じて提供します。dotData独自のAIが解析するデータの特徴を、生成AIの「世界知識」で補完し、実用的なビジネス仮説を生み出します。この融合により、業務部門は、データの洞察を直感的に理解し、新しいビジネス仮説を立て、戦略立案や施策実行をより効果的に行うことができます。

dotData Enterprise データサイエンスのプロセス全体を自動化

dotData Enterpriseは、事業部門やデータ分析部門が、ノーコードで予測AI開発を行うことができるAIプラットフォームです。特徴量自動設計と機械学習自動化(AutoML)によって、AIの専門知識やコーディングなしで、業務データから特徴量の抽出、そして機械学習による予測モデルの構築まで、ワンストップでAIを開発することができます。dotData Enterpriseを使用すると、通常は数か月かかる予測分析を、たった数日で実施でき、素早くビジネスでAIを活用でき、将来の予測やデータからの洞察が得られます。