AI導入で800万ドルもの月間未払金を回収したsticky.io
課題
• sticky.ioでは、顧客のクレジットカード未払金が毎月2,300万ドル以上発生していました。
• sticky.ioのデータサイエンス・分析部門
は、AutoMLツールをいくつか評価しましたが、処理を最適化するためだけに自動化機能を使用することに価値を見出せませんでした。
• システムからデータを抽出し、適切なモデルを作成するには、多くの時間がかかり、繰り返しの作業が必要でした。
ソリューション
• sticky.ioは複数のAutoMLツールを評価した結果、AI自動化機能と100%クラウドベースのインフラストラクチャを備えるdotDataを選択しました。
• dotDataを導入したことによって、sticky.ioはプロセス全体を劇的に簡便化することができました。
結果
• dotDataのAI・機械学習モデルを使用して、催促処理のタイミングを最適化することで、sticky.ioは、未払金の35%以上を回収できると見込んでいます。
• sticky.ioのチームは、プログラミングを一切必要とせずに、生データからAI予測モデル全体をごく短期間で構築しました。
• sticky.ioは、わずか45日間で構築したAI・機械学習モデルの使用開始からわずか1年で、毎月800万ドル以上の未払金を回収できると予測しています。
sticky.ioは、統合されたeコマースプラットフォームでバックエンド業務を管理するサービスを何千ものサービス事業者に提供しています。サブスクリプション管理および継続課金を行う同社のプラットフォームでは、注文・課金処理、マーケティング、カスタマーサポートなどの一連のプロセスをサービス事業者に提供し、またその過程で多くのデータが同社のプラットフォーム上に収集されます。
課題
sticky.ioのデータサイエンス・分析部門は、機械学習(ML)を活用してこれらのプロセスを最適化し、同社のプラットフォームの顧客価値向上をミッションとしています。同チームディレクターのJustin Shoolery氏は、顧客データを迅速に分析し、顧客への対応と取引内容をより収益性を高める方法で処理する方法を模索していました。チームは、何億件もの取引から得られるデータから特定のパターンを発見する手法として、AI・機械学習が有望であると考えていましたが、顧客やビジネスパートナーが多様化するエコシステムの中で、日々蓄積されるとてつもない量と種類のデータから、有用なパターンをいかに把握するかという点に、大きな課題を抱えていました。
dotDataを選んだ理由
sticky.ioのデータサイエンス・分析部門は、AI・機械学習のモデルを構築するために有望なデータに対する勘所がありました。一方で、実際にモデルを作成し、予測を実行するのに適したデータを抽出するには、かなりの労力を要しました。たとえば、ある説明変数を使用してモデルを実行した時に、適切な予測値が得られていないことに気付き、説明変数を作り直す必要が生じたときの労力は大変なものでした。また、新しい説明変数を作り直すために、 非常に複雑なデータに対してクエリを一から作成していました。
チームは、いくつかのAutoMLツールを評価しましたが、これらのツールで予測値を得るために必要なデータを準備するのに多くの時間と労力を要することがわかりました。「全体の95%の時間がデータラ ングリング( 前処理)に費やされ、プロセスの最後のわずか5%のみを自動化することに価値を見出せませんでした。それよりも、データパイプライン(データ処理の一連のプロセス)をしっかりと構築するのにもっと時間と労力を費やしたいと考えていました。」とShoolery氏は述べます。sticky.ioが使用しているデータの構造、複雑さ、性質を考えると、単に機械学習モデルのチューニングを自動化するだけではなく、入力変数である特徴量を設計・評価することがより重要でした。sticky.ioのチー
ム がdotDataを選択する上で決め手となったのは、dotDataの特徴量設計の自動化機能でした。
dotDataを導入したことによって、sticky.ioはプロセス全体を劇的に簡便化することができました。チームは、同社のプラットフォームの顧客価値向上を実現するための様々なアイデアをdotDataを利用して実行に移しました。たとえば、特定の日に処理を行うことが、その処理の達成度合いに良い影響をもたらすかどうかといった実験です。「dotDataを導入する前は、データのクエリ、適切な変数の仮説設計、モデルのテストなどに1か月以上かかった上に、最終的にモデルが機能しないということもありました。今ではその作業のほとんどがdotDataによって自動化されたので、素早く試行を繰り返し有用なモデルを見つけることに注力できるようになりました。dotDataを導入して、ついに非常に有望なソリューションに出会えたと感じています」(Shoolery氏)
sticky.ioが特に重視しているのは、dotDataの最大の強みである特徴量の自動設計です。特徴量の自動設計によって、多数のテーブルの結合が必要となる複雑なデータベースに対して、データ加工のワークフローを加速し、数百万もの特徴量を素早く検証することを可能にしました。
ECサイト向けの「スマートダニング」を開発
支払い催促(ダニング)のプロセスでは、未払金を回収できるように、顧客とのコミュニケーションをシステムが自動化します。支払い催促をすることで未払問題を防ぐことができますが、eコマースの決済における問題は、原因が顧客の滞納以外の状況であることが多く、単に再処理することで解決できることもよくあります。再処理は、未払金の回収率を向上できる一方で、サブスクリプション管理システムでは、処理を実行するたびに追加コストが発生するため、再処理を繰り返すことで余分なコストがかかります。また、処理を行うタイミングによって催促の成否が影響を受けるため、eコマース企業にとっては、支払いの回収とコストのバランスを最適化する必要があります。スマートダニングの目的は、未払いを最小限に抑えるために、催促処理を行うタイミングを最適化します。AIと機械学習モデルがタイミングを最適化することで、企業は支払い催促を繰り返し行う回数を減らしつつ、支払と未払い回収を増やすことができます。
sticky.ioがdotDataを活用してスマートダニングのソリューションを開発した理由は、問題が明確で、結果を定量化できるからです。処理コストを5%削減し、支払いの回収を10%増収できるようにすれば、sticky.ioの顧客であるeコマース企業は目に見える増収を得ることができます。sticky.ioのチームは、dotDataを7つのテーブルに蓄積された異なるタイプのトランザクションデータに適用し、支払い請求の承認と相関の高い特徴量を発見し、また数十万から数百万件の支払い処理に対して、予測スコアに応じて支払い処理のタイミングを決定することで、その効果を確認することができました。
今後の展望
Shoolery氏をはじめとするsticky.ioのデータサイエンス・分析部門では、dotDataを利用したプロジェクトの成功を受けて、dotDataを利用する人材を増員し、収益の予測、解約する可能性のある顧客の特定、クレームの可能性、さらには、特定の製品のプロモーションに適した顧客を特定するモデルなど、7つの新たなソリ ューションの検討と開発が進んでいます。また、dotDataの特徴量を通じて、sticky.ioのプラットフォームでの取引処理に関するインサイトが得られる点も重要で、このようなインサイトを顧客企業に提供する方法についても検討が進んでいます。sticky.ioとdotDataは、同社の事業成長をさらに加速するためのAI・機械学習モデルの開発するために、さらに連携を強化する計画です。
dotDataについて
あらゆる規模の組織にとって、ビジネスのロー・データを価値ある有意義なデータマートに変換し、機械学習(ML)、人工知能(AI)、および従来のデータ分析やアプリケーションに容易に実装できるようにすることは最大の課題ですが、dotDataはそれを解決します。当社は、予測分析を始めたばかりの企業から、より成熟したデータエンジニアリング・プロセスを持つ企業まで、各企業のニーズに応じてカスタマイズされたソリューションを提供しています。dotDataのコアテクノロジーにより、企業はデータウェアハウスやデータレイクから、数百もの列と数百万もの行からなる様々なデータテーブル間の関係を見出し、データをデータマートや特徴量テーブルに自動変換することができます。当社のグローバル顧客は、当社のAI自動化プラットフォームを利用することで、希少で費用のかかる専門家リソースに頼ることなくML、AI、および高度な分析の導入を加速し、迅速なROIを達成しています。
Forresterは、2019年にdotDataをMLとAIのリーダーとして認め、CRNはdotDataを4年連続で注目すべきベンダーリストに選出し、2020年のCB Insights Top 100 AI Startupsに選出されました。AI breakthrough awardでは、dotDataは2019年の「最高の機械学習プラットフォーム」として認められ、世界中のFortune 50のクライアントがdotDataを利用して、ML、AI、高度な分析のプロジェクトを加速しています。詳細については、https://jp.dotdata.com/をご覧いただき、TwitterやLinkedInをフォローしてください。
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